眼をさました時は、まだ真っ暗であった。僕は変に不愉快な悪寒がしたので、これは空気がしめっているせいであろうと思った。諸君は海水で湿ている船室の一種特別な臭いを知っているであろう。僕は出来るだけ蒲団をかけて、あすあの男に大苦情を言ってやる時のうまい言葉をあれやこれやと考えながら、また、うとうとと眠ってしまった。そのうちに、僕の頭の上の寝台で同室の男が寝返りを打っている音がきこえた。たぶん彼は僕が眠っている間に帰って来たのであろう。やがて彼がむむうとひと声うなったような気がしたので、さては船暈だなと僕は思った。もしそうであれば、下にいる者はたまらない。そんなことを考えながらも、僕はまた、うとうとと夜明けまで眠った。  船は昨夜よりもよほど揺れてきた。そうして、舷窓からはいってくる薄暗いひかりは、船の揺れかたによって、その窓が海の方へ向いたり、空の方へ向いたりするたびごとに色が変わっていた。 幼稚園会計・幼稚園監査・幼稚園税務 銀座の悠和会計事務所見かけたら戸惑うこと間違いなし

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