そのときの主なる役割は花川戸の助六(団十郎)、髭の意休(芝翫)、三浦屋の揚巻(福助)、白酒売新兵衛(権十郎)、朝顔千平(猿之助)、かんぺら門兵衛(八百蔵)、三浦屋の白玉(女寅)、曾我の満江(寿美蔵)などで、その芝居の面白くなかったことは前にも言った通りであるが、助六と意休と揚巻と、この三人が舞台に列んだ姿、まったく錦絵がぬけ出したようなそのおもかげは今もありありと眼にのこっている。なんといっても、むかしの俳優はその押出しがみな立派であった。団十郎の助六は言うまでもない、芝翫は最早過去の俳優として一般の観客からは余り重んじられていなかったが、それでもこういう役をひき受けると、見るから堂々たるもので、古来この意休に扮した幾多の俳優のうちに、果たしてこれほど立派な舞台顔の持主があったかどうかと疑われるくらいであった。揚巻は後の五代目歌右衛門の若盛りであるから、それも改めて説明するまでもあるまい。 浦安 歯医者苛政は虎よりも猛し ? .page

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