七月というのに、馬鹿に寒かったので、僕は頭をむけて窓のほうを見ると、驚いたことには、窓は鉤がはずれてあいているではないか。僕は上の寝台の男に聞こえよがしに悪口を言ってから、起き上がって窓をしめた。それからまた寝床へ帰るときに、僕は上の寝台に一瞥をくれると、そのカーテンはぴったりとしまっていて、同室の男も僕と同様に寒さを感じていたらしかった。すると、今まで寒さを感じなかった僕は、よほど熟睡していたのだなと思った。 ゆうべ僕を悩ましたような、変な湿気の臭いはしていなかったが、船室の中はやはり不愉快であった。同室の男はまだ眠っているので、ちょうど彼と顔を合わさずに済ませるにはいい機会であったと思って、すぐに着物を着かえて、甲板へ出ると、空は曇って温かく、海の上からは油のような臭いがただよってきた。僕が甲板へ出たのは七時であった。いや、あるいはもう少し遅かったかもしれない。そこで朝の空気をひとりで吸っていた船医に出会った。東部アイルランド生まれの彼は、黒い髪と眼を持った、若い大胆そうな偉丈夫で、そのくせ妙に人を惹きつけるような暢気な、健康そうな顔をしていた。 幼稚園会計・幼稚園監査・幼稚園税務 銀座の悠和会計事務所- 網誌 - yam天空部落
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