なお、もう一つ蜂矢が気がついたのは、額の生えぎわのところの皮が、妙にむけかかっているように見えることだった。そのとき、後からあらわれた博士の声が、いらだたしく聞こえた。 「蜂矢君。こんどは、その高いカラーをはずしたまえ」 「カラーをはずすのですね」 はじめから博士の特徴になっていたその高いカラーを、蜂矢は、いわれるままに、とりはずした。すると蜂矢探偵は、そこに醜い傷あとを見た。短刀で斬った傷のあとであると思った。いつ博士はこんな傷をうけたのであろうか。すると、またもや、あとからあらわれた博士がいちだんと声をはりあげて、蜂矢に用をいいつけた。 「つぎは、その男の面の皮をはぎたまえ。えんりょなく、はぎ取るんだ」 「顔の皮をむくのですか」 蜂矢は、おどろいて、命令する人の方をふりかえった。あまりといえば、惨酷きわまることである。 競馬詐欺競馬詐欺対策室
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