かもめはそれを見ると、まったく驚きました。都というところは不思議なところだ。ここにさえいれば、遊んでいても暮らしていくことができるのだ思いました。 ついに、このかもめは、北をさして長い旅に上りました。彼は、去年きた時分のことなどを思い出していろいろの感慨にふけりました。高山を一つ越えて、もうやがて向こうに海が見えようとするころでありました。かもめは、一羽のからすに出あいました。 からすはカーカーとなきながら、やはり里の方をさして飛んでゆくところでありました。おしゃべりのからすはすぐ、自分の上を飛んでゆくかもめを見つけて、声をかけずにいられませんでした。 「かもめさん、かもめさん、たいへんにお疲れのようだが、どこへいっておいでになりました。」と、からすは問いました。 すると、かもめは、急ぐ翼をゆるくして、からすとしばらくの間道連れになりました。 「私は二、三日前に、ずっと南の都から出立しました。去年の冬はにぎやかな都で送りました。もう夏になって、北の海が恋しくなったので帰るところですよ。」と、かもめは答えました。 有明 歯医者麻を担って金を捨てる
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