無造作に押よせた入口の草の戸、その隙間から薄明りがさして、いつか夜は明けたらしい。起きて屋外へ出たが、一面の霧で何も見えない。西山東山、そんな遠くは言わずもがな、足許の水桶さえも定かではない。恐しい深い霧だ、天地はただ明るい鼠色に塗られてしまった。 顔を洗うことは出来ない、僅かに茶碗に一杯の水で口を漱いで小屋に入る。宗忠は飯を炊き始める。水桶に移すと、今度は宗平が飯を炊く、見ると湯の沸いた中へ、一升ばかりの粟を入れる。村では少しの麦を加えるそうだが、山上では粟ばかりだという。どんな味かと聞たら、温いうちはよいが、冷えたらとても東京の人には食べられまいという。 今朝は汁もない、辛い味噌漬二切で食事をすます。 暫く焚火を囲みながら、天気の模様を見る。 バイク・原付の鍵紛失、鍵がなくてもお作りします - 東京、埼玉、さいたま市日記 /携帯ホームページ作成 ecaco
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