だが、このむす子はなぜこう大きくなってまで、「おかあさん」とちゃんといわないで、子供のときのまま「おがあさん」と濁って呼ぶのであろう。 「おまえさんが子供のときにね」とかの女はむす子に語る。むす子は来るのを急いだらしく、改めてネクタイを結び直しながら聴いている。 「鼻が詰って口で息をするものだから、小児科のお医者さんに診せたのだよ。すると、喉にアデノイドがあるというのだよ。アデノイドがある子は暴れるということを聞いたので、入院して切ることになったのさ」  ここでかの女はまず、くっくと笑った。 「その前からおまえは一通りならないやんちゃ坊だった。親類の娘たちはおまえの活動には随分閉口していた。娘たちは小児科医の話を聞いて、なるほどおまえの腕白もみなそのアデノイドがさせるわざだと決めてしまった。おまえは手術が終って家へ帰って来た。どんなにかおとなしくなったろうと楽しみにして娘たちは、様子を見に来た。おまえの腕白はちっとも変らなかった。娘たちはつまらない顔をして帰って行った」ゲイ×アーキテクトたろぐ ?ゲイの日常4コマ?

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